出生前診断の告知のあり方と自己決定の支援について考える【泣いて笑ってBlog】

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「私、お産の経験がないんですよ。」

長男を妊娠した時でした。

つわりであまり食事も作りたくなくて、その日の夜、ひとりで外に食べに行きました。
注文したうどんが運ばれてきて割り箸を割ろうとした瞬間「いらっしゃいませ」と店員の声。

なにげなく入り口に目をやりました。

そこに立っていたのは、お世話になった総合病院産婦人科の師(婦)長さんでした。
お互いビックリして「あれ?」と苦笑い。

「一緒にいいですか?」
「はい。勿論です。」

私は近況を話しました。
今、妊娠初期だということを。
「またお世話になると思います。」と頭を下げました。

師(婦)長さんは嬉しそうに「そうですか。よかったですねぇ。」と笑ってくれました。

なにげない世間話をしながら二人でうどんを食べました。

「私ね、お産の経験がないんですよ。」
と、師(婦)長さんが突然言いました。
突然じゃなかったかもしれないけれど、私にとって意外すぎるその言葉に驚いてしまったので・・・「突然」だと感じてしまいました。
とっさになんと答えていいのかわからずに、「そうなんですか?」と、返しました。


師(婦)長さんは続けました。
「うちのスタッフ達は、本当に優秀だと思っています。でもひとつ足りないのは自分自身が妊娠して出産するという経験をしている人が少ないことです。」


私にはわかりませんでした。
なぜ、そんな話を・・・・・?

正直、その時はショックだったかもしれません。

でも今、あらためて思います。
経験って気がついたらあとからついてくるようなもの。

私がどう望んだって男になれないように
妊娠や出産だって自分ひとりの力ではどうすることもできない。

愛する人がいて
様々な困難を乗り越えて・・・・受胎して生まれてくるもの。



きっと師(婦)長さんも悩んでいらしたのかもしれない。

娘を亡くした時に私にかけた言葉は、はたして正しかったのだろうか。

患者の気持ちを理解することは出来ないのではないだろうか。
患者を支えることは出来ないのではないだろうか。
もしかしたら見当違いな看護を提供しているのではないだろうか。

たくさんの葛藤があったのかもしれない・・・・。

毎日たくさんのハイリスク妊婦を抱える産婦人科病棟の師(婦)長。

「患者さんの前では見せない涙も、陰では流してきました。」


・・・・もうそれで十分です。



私は病棟スタッフの皆さんが人間らしい心を持って日々看護をされてるのか・・・正直わからなかった。
娘を亡くしたときは・・・・。

でも、きっとみんなそれぞれに、悲しいお産があったときは陰で泣いてくれていることを知りました。
そして自信喪失したり悲しんだりしてくれてることも・・・。

私はこの言葉に救われた気がしました。


本当に本当に
救われた気がしました。
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